保釈(保証)金は戻ってくるのか
保釈されるためには、裁判官が決めた保釈保証金を裁判所に納める必要があります。
保釈保証金の金額は、初犯の場合で、概ね150万円程度で、一般的には、起訴された罪が多ければ多いほど、高額化します。
保釈保証金は、特段の問題もなく裁判が終われば、弁護人を通じて全額が返還されます。
ところで、かつてカルロス・ゴーンが保釈中にヨルダンに逃亡してしまった事件以降、裁判官の保釈に対する考え方が若干厳しい風潮もありますが、もし保釈中に行方不明になったり、保釈の条件に違反したような場合、保釈金は、どのようになるでしょうか。
刑事訴訟法96条2項は、「保釈を取り消すときは、裁判所は、決定で保証金の全部又は一部を没取することができる」と規定しています。
保釈金を自分で用意した場合には、用意した本人が行方不明になったのであれば、「没取」になったとしても、それはやむを得ないことかもしれません。
しかし、知人の方などに保釈金を出して頂いた場合、保釈金が全額「没取」になってしまうと、それは酷な結果となるでしょう。
ですが、法的には、「誰がお金を出したかは関係なく、全額が没取される」というのが、おおむね実務的運用です。
厳しいかもしれませんが、そのようなものだと理解しておく必要があるでしょう。