給与差押え
勝訴判決を得たり、離婚調停が成立し、養育費の取り決めをしたりしても、相手方からの支払いがなければ、差押え(強制執行)を検討しなければなりません。
差押えの一つとして、相手方の給与(相手方が有する勤務先に対する給与債権)を差し押さえる方法があります。給与差押えの方法は、まず裁判所に必要書類とともに差押命令申立書を提出します。裁判所が審査をし、不備がなければ、差押命令を出し、相手方の勤務先と相手方に差押命令を郵送します(送達・民事執行法145条3項)。勤務先に送達されることで、差押えの効力が生じます(民事執行法145条5項)。その後、相手方の勤務先に請求(取り立て)をして、相手方の勤務先から支払いを受けます(民事執行法155条)。
例えば、預金の差押えなどは、差押命令が銀行に届いた時点の預金のみに効力が及び、それ以降に口座に入金があったとしても、これには差押えの効力が及びません。これに対し、給与差押えについては、全額回収するまで、差押え後に発生する毎月の給与に差押えの効力が及び、そこから回収することができます(民事執行法151条)。これが給与差押えのメリットといえます。
他方、給与差押えのデメリットは、相手方の給与を全額差押えすることができず、4分の1(婚姻費用や養育費については、2分の1)に限られます(民事執行法152条)。また、相手方が勤務先を退職してしまうとそれ以降の給与が発生せず、差押えができなくなります。
相手方のどの財産を差し押えるかは、債権額、債権の種類、相手方の財産の金額、種類等をみながら、検討する必要があります。相手方から支払いがなされなくて困っている方は、弁護士にご相談ください。