アスベスト救済制度
アスベストを吸い込んだことが原因で、病気(中皮腫、肺がん、石綿肺等・アスベスト関連疾患)になった場合の救済制度には様々なものがあります。
まず、業務中にアスベストを吸い込んだことにより、石綿関連疾患になった場合には、労働基準監督署に対し、労災申請をすることが考えられます(ただし、労働者及び労災保険に特別加入した個人事業主等に限られます)。労災認定を受けた場合、療養補償給付(治療費等)、休業補償給付、障害補償給付等、被災者が亡くなった場合には、遺族補償給付、葬祭料等を受給することになります。
また、建設業務に従事したことにより、アスベストを吸い込み、石綿関連疾患になった場合には、厚生労働大臣に対し、建設アスベスト給付金の請求も可能です(ただし、石綿ばく露業務に従事した期間の制限や屋内作業場での業務といった要件があります)。建設アスベスト給付金の支給が認められた場合、症状により550万円から1300万円の給付金を受けることができます。
アスベスト製造工場等で働いたことにより、石綿関連疾患になった場合には、国を相手に裁判をして和解することにより、症状により550万円から1300万円の損害賠償金を受けることができます(ただし、石綿ばく露業務に従事した期間の制限や、局所排気装置を設置すべき石綿工場内において、アスベスト粉じんにばく露する作業に従事したといった要件があります)。
加えて、アスベストを扱っていたにもかかわらず、安全対策を講じていなかったこと等(安全配慮義務違反)を理由として、勤務先に対し、責任追及(損害賠償請求)をする方法もあります。勤務者に対し、損害賠償を求めて、示談交渉や裁判をすることになります。
その他にも、独立行政法人環境再生保全機構に対し、アスベスト救済法に基づく給付金の請求をすることも可能です。アスベスト救済法に基づく給付金は、労災補償の対象とならなかった場合に認められるものです。
実際にどの制度の対象になるかは、個別の事情によって変わってきますので、一度、弁護士にご相談いただければと思います。