国際相続手続の流れ(海外に金融資産がある場合)
日本人の方で、海外に資産がある方が日本でお亡くなりになった場合、どのような手続きが必要になるでしょうか。
まず金融資産が、数百万円〜数千万円以上の規模なのか、不動産があるのか、などによってアプローチの仕方、手続の進め方が異なります。
不動産がある場合や金融資産が高額になると、米国、英国、シンガポール、香港などではプロベイトの手続きが必要になり、現地の弁護士(多くは相続専門の弁護士に依頼することになります)に依頼して、裁判所で最終的に、財産の分配をしてもらう必要があります。
一方で、金融資産が少ない場合には、小規模かつ簡略化されたSummary Administration (サマリーアドミニストレーション)によって早期に分配が可能になる場合もありますし、金融機関によっては、数十万円の資産であれば、相続人であることを示すAffidavit(宣誓供述書)ないし戸籍や除籍謄本の和訳の認証文で、本人確認書類とともに手続が可能な場合もあります(金融機関ごとに異なります)。
もっとも、高額な資産がある場合には、現地の金融機関も身元確認が厳重であるなど手続きは重厚かつ複雑になります。そのため、現地弁護士とネットワークを持った日本人弁護士と一緒にお手続きを進めていく、というのも有効な選択肢の一つです。